どうも!アメシカです!
今回は、ホラー映画『リング』に登場する貞子の母親のモデルとなった、日本に実在した超能力者である御船千鶴子をご紹介します!
目次
御船千鶴子とは
御船千鶴子は明治1 9年に熊本県宇土郡松合村(現:宇城市不知火町)で生まれました。
繊細な感受性と豊かな情緒性の持ち主で、時に悲観的な感情にとらわれる面があったと言われています。
御船が超能力を遺憾無く発揮するようになるのは22歳の時で、陸軍中佐の河地可謙との結婚後のことでした。
ある日、河地の財布から無くなっていた50円の場所を、姑が使っていた仏壇の引き出しにあることを言い当てたのです。
しかし、50円を盗んだ疑いをかけられた姑は自殺未遂を起こしたため、これが原因で御船は実家に戻ることになります。
その後は周囲に翻弄されながらも、御船は自らの超能力である「千里眼(透視能力)」を磨き、姉夫婦が開業していた熊本県内の治療院で千里眼を用いた治療を行い、活躍していきました。
それから2年後の明治43年、東京帝国大学の助教で超心理学者の福来友吉によって見出され、本格的に調査されていくことになります。
ちなみに、この御船に対して行われた調査が、日本で初めての本格的な超能力調査でした。
御船と福来は、様々な透視実験を成功させていき世間の注目を集めますが、当時の学者やマスコミが御船の超能力は偽物であるという否定的な立場をとったため、次第に御船は迫害されていきました。
そして明治44年1月18日、御船は染料用の重クロム酸カリを服毒し、失意の中、24歳という若さでその生涯を閉じることになったのでした。
御船千鶴子の実像
御船が紹介される時、一般的には先程ご紹介したように「繊細な感受性と豊かな情緒性の持ち主で、時に悲観的な感情にとらわれる面がある」や、「病弱で周囲に従う気弱な女性」という形で紹介されることが多くなっています。
しかしながら、実際はそのような女性ではなかったと言われているのです。
実際の御船は、体が丈夫で病気になることはほとんど無く、性格も思いやりがあって人との約束を大事にする反面、御船自身が道理が通らないと感じたことについては、いつまでも根に持つ粘着質な部分があり、感情の起伏が激しかったと言われています。
また、気に入らない部分があった際には実験を中止にさせるなど、「しっかりと主張すべきことは主張するたくましい女性」であったと言われています。
超能力は本当だったのか
御船の超能力については様々に実験が行われましたが、逆にその実験が御船の超能力を怪しいものにしてしまったのも事実です。
以下からは、その怪しくなってしまった原因を見ていきます。
独特な透視実験の条件
御船が透視の超能力実験を行う際には必ず共通して要求した条件があったと言います。
それは、「実験中に立会人に背を向けて透視を行う」というものでした。
つまりは、立会人からは御船の背中のみが見える形で、御船の手元を含む正面は誰からも見ることが出来なかった状況であったということになります。
また、御船が透視実験の際に用いていた実験道具は特に何も使わなくても開封することが出来る入れ物を用いており、東京高等師範学校の後藤牧太教授は「このような開封可能な封じ方では透視能力の検証は出来ない」と断言しています。
さらに、御船はハンダによって完全に封をされたものを用いた実験の際は透視に成功することが無かったと言われています。
いつもとは違う透視のスタイル
御船は透視実験の際に独特な条件を要求していましたが、姉夫婦が開業した治療院で透視能力を使う時は患者の正面を向いて診察していたと言われています。
本当に透視能力を持っている人であれば、透視実験を行う際も普段通りに正面を向いて行えば良いと思うのですが、真偽が公になる実験の時だけは「立会人に背を向ける」という条件を必ず要求していました。
これらのことから、御船の超能力について怪しくなってきたことは否めないかと思います…
死の真相
先程ご紹介したように、御船は失意の中で服毒自殺を遂げたことになっています。
しかし、実際にはこれも事実とは異なっていたようです。
御船が自殺する原因になったとされている当時の学者たちなどからの迫害については、実際には当時の学者たちは肯定も否定もしておらず、御船の超能力を検証するために継続的に実験を行う必要があると考えている学者がほとんどであったと言われています。
では、御船が自殺した本当の原因は何だったのでしょうか。
それは、親族間での金銭トラブルであったと言われています。
ここから分かるのは、物語がよりドラマティックになるように脚色されていたのかもしれないということですね…
まとめ
理解無き周囲の人々の所為で非業の死を遂げた哀しきヒロインとして紹介されることが多い御船千鶴子ですが、その真相は一般的に語られているものとは違う部分があることが見えてきました。
真実かどうかを判定することは難しいですが、このような神秘的な能力の検証は曖昧にしないで正確にやっていただきたいなとは思います!
それでは、失敬!